損保労連のこれまでの取り組み

GENKI146号にて、フード連合が取り組む「公正な取引慣行の実現」について特集しました。

フード連合が取り組む「公正な取引慣行の実現」とは

 フード連合では、「公正な取引慣行の実現」を重点課題と位置づけ、継続的に取り組んでいます。 従来、食品製造業は商流上非常に弱い立場にあり、今後の取引に影響することへの懸念などを要因として、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの取引先からの不当な要求に悩まされていました。例えば、自社の商品とは関係のない商品の陳列や、店舗の駐車場整理(誘導係)などを要求され、断ろうとすると「今後、取引をしないぞ」といった圧力をかけられた結果、やむを得ず対応するといったようなことです。また、クリスマスケーキやおせちなどの季節商材を強制的に購入させられるといったようなことも頻繁に行われていました。これらの行為は「優越的地位の濫用行為」として禁止されているのですが、それらを告発しようと思っても、報復行為への恐れから、なかなかできていない状況でした。また、いわゆる「取引慣行(損保労連でいう商慣習)」として常態化しており、現場では「対応して当たり前」としていた雰囲気さえありました。

 そこでフード連合は、組織内への教育・啓発とあわせて、実態調査としてアンケートを実施することとし、その結果をもとに公正取引委員会等に対し要請行動を行い、法的な整備も含めた改善を求めることに着手しました。 なお、本取り組みは、繊維、化学、食品、流通、サービスなどの産業の労働者約180万人で組織された日本最大の産業別労働組合である全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)とも連携しています。このように、フード連合のみならず、他の働く仲間とも連携しながら取り組みを展開しています。

課題解消に向けたフード連合の主な取り組み

 「公正な取引慣行の実現」に向けた主な取り組みとして、「実態調査」および「要請行動」を継続的に行っています。

 実態調査については、毎年、営業担当の組合員を対象としたアンケートを実施しています。アンケートの項目は「優越的地位の濫用行為を受けているか」にはじまり、「どの企業からどういった行為を受けているか」といった具体的な事例まで固有名詞で調査する内容となっています。一昨年からは、ウェブアンケートを導入し、約3,000件の回答が集まっています。分母からすると、まだ取り組む余地があると考えており、「活用事例の見える化」など、回答数の向上に向けて取り組みを強化していきたいと考えています。

 そして、調査結果をふまえ、「法令等の周知徹底」「公正取引委員会の機能強化」などを求める要請行動を、毎年3月に公正取引委員会等に対して、春闘のなかでの政策的な取り組みとして実施しています。近年では、各地域における具体的な審査や社会への働きかけを強化するため、地方連合会とも連携し、公正取引委員会の地方支所に対しても要請しています。さらに今年はコロナ禍において、上述のような不当な要求がより目立ったことを受け、7月にも要請行動を行いました。

 このような取り組みを継続的に行ってきた結果、独占禁止法の改正(課徴金導入)や公正取引推進ガイドラインの公表など法的な整備はすすみ、アンケート結果も改善傾向にありますが、一方で依然として不公正な取引が多数報告されています。「公正な取引慣行の実現」は業種・産別の違いを問わず、広く社会的な課題であると考えており、損保労連の皆さまとも連携を強化し、社会的なうねりにつなげていきたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。ともに頑張りましょう!

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